『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』尾形真理子:尾形流の「美味しんぼ」

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今週の一冊は、尾形真理子さんの『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』です。

尾形さんは博報堂で働くコピーライター。

LUMINEのお仕事でとても有名ですよね。

女性の気持ちを切り取ったようなコピーで、広く共感を集めていらっしゃいます。

LUMINEの広告って掲載されるたびにすごく話題になると思うんですが、

なかなか言葉一つでここまで世間の話題を集める仕事もなかなかいないと思います。

まさにコピーライター冥利につきる仕事をしていらっしゃる方ですね!

さてそもそも僕がなぜこの本を読んでみようを思ったかというと、

8月2日に汐留のアドミュージアムで開催されたTCC(東京コピーライターズクラブ)主催のトークライブに

尾形さんが参加されていたからなんですよね。

尾形さんは今年、

「運命を狂わすほどの恋を、女は忘れられる。」というコピーで、

TCC賞を受賞され、その記念講演という形でした。

講演内容はまた明日辺りにゆっくりとブログに書きますが、

その講演のなかで本のことにも触れられていて。

そこで少し興味を持ったまま、

会場から出ると目の前にはなんと文教堂が。

うまいつくりをしていますねえ。笑

そうしてふらっと立ち寄った本屋の中には当然尾形さんの作品が置いてあり、

まんまと僕は購入に至ってしまったという流れです。

興味から購買までのプロセスがワンストップで提供されているとても怖い施設ですねえ、アドミュージアムは。笑

さて肝心の本の内容ですが、

尾形さんが書かれた5つのコピーをテーマとした短編作品が掲載されています。

それぞれに共通するのは、

とあるセレクトショップ。

都内で働く5人の女性を主人公に、

彼女たちそれぞれの悩みを、

セレクトショップの美人店員がファッションを通して解決していくという

なんだかこう書いていくと尾形流『美味しんぼ』な気もしてきますね。笑

こういうシーンってきっとあるんだろうなあという人や場面のチョイスが素晴らしく、

特に女性は分かる!分かる!と共感をもって読まれそうな作品だなあと思いました。

が、

やっぱり尾形さんの真骨頂はコピーなんだろなあというのが僕の正直な感想。

一つの物語を読んだ後、

そのテーマになっているコピーを改めて読み返してみると

そのコピー自体の包括力というか

いろんな物語を内包している感じが想像力を掻き立てられて心地いいんですよね。

この小説で描かれている物語は、

やっぱり博報堂という大企業で、

綺麗なオフィスで最先端のお仕事をしている人が書いた物語なんだなという感じがとてもします。

それが良い悪いの議論をするつもりは毛頭ないんですが、

コピーになると様々な地域の様々な女性が丸ごと共感できる言葉になっている。

この対比って面白いですよね。

語れば語るほど共感を得る人の範囲は狭くなっていくのに対し、

一言の言葉の方がより多くの共感を得ることができる。

まあこれはあくまで僕の主観でしかないですが、

人は自分が想像できる余白があるものを好む生き物なのかもしれませんね。

漫画や小説の実写化が叩かれている昨今ですが、

こういう部分にも原因があるのかなとなんとなく思いました。

したっけ、またね!

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